12月も近づき、やっと寒さがやってきました。平年並みの寒さでも、あまりの温かさに慣れた体には強烈に感じてしまいます。
この天候でここ何十年収穫が減っていた世羅高原の松茸が沢山採れたとか。悪いことばかりでは無いのかなとほっこりする話題でした。
先月、「開運!なんでも鑑定団」で取り上げられて気になっていた、画家・田中一村(何故か画家の方は呼び捨てにされる事が多いですね)の展覧会に行ってきました。生きている間は中央画壇で全く評価されず、いずれは東京で個展を開きたいと語っていた彼の望みが晴れて実現した展覧会です。「誰の為でもなく、ただ自分の良心を納得させるために」描き続けた作品が一堂に会した、おそらく二度とない、貴重な機会に出会うことができ幸せでした。
絵描きのゴッホがそうであるように、死後に評価が高まる場合があります。一村もその一人で、奄美大島に住み、赤貧の中で描き続けています。描き続ける熱情に促された、芸術家の業のようなものを彼の絵の中に感じます。絵を見ることで心が洗われ、心が豊かになる、そんな体験ができた展覧会でした。
現実の世界は益々混迷を深め、不安を抱くことが多く起こっています。そんな時、芸術は心を癒し豊かにしてれます。億劫がらずに色々な芸術に触れる機会を今後も持ちたいと思っています。
病院長 浜田 史洋